100均の防災グッズって、非常時に本当に役立つの?


災害時の備えとして「安く手軽に揃えられる100均防災グッズ」は多くの人に注目されています。
(実際に「防災グッズ 100均」と検索する方も多いです)

しかし、価格が安い分「実際に役立つのか」「信頼できる品質なのか」と不安を感じる方も多いでしょう。

今回は、防災歴40年のプロ・クマさんによるレビューをもとに、100均防災グッズの実力と選び方を解説します。

・消防団歴30年、防災歴40年以上のプロ
・大手百貨店や大手ビル管理会社等の災害対策指導員を歴任
・小岩で飲んで50年

【忖度抜き】100均防災グッズのおすすめ【動画あり】防災40年のプロが解説

災害時、コストを抑えつつも必要なものを揃えたいのは自然な考えです。
ここでは、防災の専門家が100均グッズを見るときのポイントを整理します。

防災の専門家が見る重要ポイント

防災用品は「命を守れるか」「実際に使えるか」が基準になります。

例えばシャンプーシート一つをとっても、防災用としては保存性や使う場面の想定が重要です。

介護用の厚手で長持ちするシートの方が現実的な場合もあります。

その場で使い切るには良いかもしれませんが、いつ起こるか分からない防災には不向きなケースが多いです。

100円の価値と限界を見極める

100均商品は安価ですが、保存年数や機能に制約があります

緊急トイレやアルミシートなどは「一時しのぎ」程度と考えるのが現実的です。

長期的に備えるなら、介護用品や防災専用品の方が安心です。

まあ、100円だからね〜
しょうがないよ。

本当に「使える」かを見極める視点

大切なのは「実際に使って試すこと」です。

例えばホイッスルは音量や響き方に差があり、100均よりも150円程度の市販品の方が明らかに効果的だったという検証結果もあります。

一度自分で試してください。
個人的にはライトとホイッスルが兼用などはオススメしません。

100均防災グッズの実力を検証

ここからは具体的に代表的な100均防災グッズを一つひとつ見ていきます。

シャンプーシート

石けんの香りが強すぎて避難所などでは不快になる可能性があります。

また包装が簡易的なため、半年〜1年で乾燥してしまうことも

一方で、介護用の厚手シートはアルミ包装で長期保存が可能で、大判サイズのため全身をしっかり拭けます。

必要なときに「カラカラで使えない…」となりそうです。

緊急トイレ

100均の簡易トイレは吸水剤が少なく、下痢などの場合は処理しきれないこともあります。

匂いも漏れやすいため、長時間の避難生活には不安が残ります。

災害時はできるだけ信頼できる専用品を備えておく方が安心です。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。
断水・停電に備える!おすすめ防災トイレグッズ・選び方

みんな備えてないのがトイレです。
災害時は不安定で便も緩くなりやすいので、多少高くても安心できるものを。

ホイッスル

ライトと一体型のホイッスルは便利そうに見えますが、音量は弱め

コロ(玉)入りの普通のホイッスルの方がはるかに遠くまで響き、確実性があります。

ライト付きは便利そうに見えて、どちらも中途半端。別々に持つべきです。

ライト

100均のペンライトは光量が弱く、広範囲を照らすには不向きです。

高照度の充電式ミニライトや使い捨てのセーフティライトの方が、避難時に実用的です。

暗すぎて避難には使えません。手元照明が限界です。
災害時に必要なのは、視界の確保と呼吸の確保。この2つが最重要。

アルミシート

100均でもサイズは大きめで防寒対策に役立ちますが、寝袋代わりにするには薄すぎます。

また、カシャカシャと音が大きく、避難所では使いにくい場面もあります。

100円で手に入るので「とりあえず持っておく」レベルなら有効でしょう。

防寒の“お守り”程度と考えてください。

非常食

100均のご飯は手軽で価格も安いですが、賞味期限が10か月程度と短めです。

そのため“非常食”として長期保管するよりも、普段の食事に取り入れながら入れ替えるローリングストックに向いています

ローリングストックを前提に使えばアリ。ただ備蓄用には短すぎます。

軍手

ゴム付きのタイプはグリップが効き、100均でも一定の効果があります。

ただし尖ったものや高温には弱いため、作業用皮手袋の方が安心です。

今回の100均グッズで唯一良いかもと思いました。

まとめ:100均防災グッズは目的を絞って使う

100均の防災グッズが無駄と言いたいわけではありません。
プロの目線から解説すると、あくまでも補助的に選ぶことが必要です。

命に関わるトイレやライトは専用品を用意し、それ以外のあったら良い商品は100均で補う──そんな使い分けが現実的です。

実際に試してみて、どこまで使えるかを確認しておくことが、いざという時の安心につながります。

本記事を紹介している、株式会社レスキュープラスでは火災や初期消火に必要な防煙マスク企業の防災コンサルティング・BCP対策を行っております。
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