Amazonに売られていた3個で500円の防煙マスク、本当に安全なの?


火災時に命を守るための「防煙マスク」。

最近は通販サイトなどで“格安防煙マスク”が簡単に手に入るようになりました。

価格の安さに安心感を覚える一方で、その効果や安全性には多くの疑問が残ります。

本記事では、動画内で防災の専門家が実際に格安マスクを検証した結果をもとに、製品のリスクや選び方のポイントを詳しく解説します。

・消防団歴30年、防災歴40年以上のプロ
・大手百貨店や大手ビル管理会社等の災害対策指導員を歴任
・小岩で飲んで50年

格安防煙マスクの効果を徹底検証

安価な防煙マスクがどのように普及し、どんなリスクをはらんでいるのかを整理します。

警視庁の投稿が広めた“透明袋タイプ”の防煙マスク

警視庁がSNSで紹介したことで注目を集めた「透明袋タイプの防煙マスク」。

火災時に頭から被るだけで煙を防げるというアイデアですが、実際には窒息の危険性が指摘されています。

昭和期の発案を元にしたもので、当初は商品化されなかった理由も「命の危険があるから」と解説しています。

警視庁もいまだにこの投稿を削除してないのは問題です。

昭和から続く「袋で防ぐ」発想とその危険性

この「袋で煙を防ぐ」考え方は、昭和50年代から存在していました。

当初は市民防災研究所で「煙を吸わない工夫」として提案されたものの、専門家会議で危険と判断されています

袋は外気を遮断するため、酸素の供給が止まり、短時間で酸欠を起こすリスクがあるのです。

今も流通する理由と誤解が生まれた背景

それでも、こうした格安防煙マスクが現在も販売されている理由は、「SNSでの誤情報」と「安さによる心理的安心感」

警視庁の投稿を見て「公的機関が紹介しているなら安心」と感じる人が増えていますが、実際には重大な誤解を招いています。

実際にホテルや公共施設にも導入例があり、誤った“安全神話”が広がっているのが現状です。

検証で明らかになった危険性

実際に使用してみると、格安防煙マスクのリスクが次々と浮き彫りになりました。

片手が塞がり避難行動が制限される問題

袋を密閉するには手で押さえる必要があり、片手が常に塞がれます

転倒した際に支えられず、大けがにつながる危険があります。

また、頭部に大きな袋を被ることで視界も遮られ、障害物への対応が遅れる恐れも。

避難の時の大原則は、両手を開けておくことです。

内部の酸素減少と二酸化炭素中毒のリスク

わずか数分で袋内の酸素は減少し、吐いた二酸化炭素が充満していきます。

動画内では、わずか2分半で息苦しさを訴える様子が見られ、5分経過時には呼吸困難寸前の状態に。

これこそが「袋を被る危険性」の核心です。

“息苦しい”時点でアウトです。

5分以内で呼吸困難に陥る危険性

検証の結果、被ってから5分で呼吸が限界に達し、外した瞬間に大きく息を吸ってしまう危険な反射行動が確認されました。

もし周囲に有毒ガスが充満していれば、その一呼吸で命を落とす可能性もあります。

使えば分かりますが、これは防災用品じゃないです。

防煙マスク選びで注意すべきポイント

格安品との違いを理解し、安全な製品を見極めることが重要です。

公的機関導入でも“安全”とは限らない理由

行政やホテルで導入されているからといって、安全とは限りません。

動画では「大手ホテルでも透明袋タイプを導入している」と紹介されましたが、こうした状況こそ誤解を招く危険な事例といえます。

「行政や企業の信頼性=製品の安全性」ではないのです。

“導入実績”に惑わされないでくださいね。

命を守る製品に必要な認証と試験体制

信頼できる防煙マスクには、日本消防安全設備センター認定という公的試験が行われています。

また、耐熱試験や通気性試験など、複数の安全検証をクリアして初めて「防災用品」として販売されます。

格安商品はこれらを省略している場合が多く、使用者の安全を保証できません。

安い=試験してない、と思ってください。
ほとんどの商品が粗悪品です。

購入前に確認すべき信頼できる判断基準

購入時には、以下の3点を確認することが重要です。

  • 1.公的認証(日本消防安全設備センター認定)の有無
  • 2.使用時間や温度条件の明記
  • 3.販売元や製造元の情報開示

防災用品を選ぶ際には、自分で判断せず専門家の意見を確認することが大切

見た目や価格だけで選ぶのは危険です。

高い信頼性と実績を備えた防煙マスクはこちらからご確認ください。

命を守る製品は“安い方”ではなく“確かな方”を。

まとめ:防煙マスクは“価格”より“安全性”で選ぶべき

格安防煙マスクは、発想としては魅力的でも、現実的には危険を伴うものです。

わずか数分で酸欠を起こし、避難どころか命を落とす可能性すらあります。

行政や企業の導入実績よりも、確かな認証・実績・データを基準に選ぶことが、真の「防災対策」です。

本記事を紹介している、株式会社レスキュープラスでは火災や初期消火に必要な防煙マスク企業の防災コンサルティング・BCP対策を行っております。
現場で使える正しい知識・訓練をモットーとしており大手企業や大手ビル管理会社等での実績も豊富です。お気軽にご相談ください。

また「防災業界のインチキを正す!」をテーマにYouTubeチャンネルの運営をしてます。
防災業界やマスコミが言わない、正しい防災知識を解説しておりますので、ぜひ動画もご覧ください。