火災のとき、まずは消火?それとも避難?
迷ったらどうすればいいんだろう?

火災は突然起こります。

消火に挑むべきか、すぐに逃げるべきか、最初の判断で生死が分かれることもあります。

ここでは、防災のプロの解説をもとに、家庭や企業で共通して役立つ火災対応の基本とポイントを整理します。

・消防団歴30年、防災歴40年以上のプロ
・大手百貨店や大手ビル管理会社等の災害対策指導員を歴任
・小岩で飲んで50年

火災が起きたら何すれば?状況別にプロが解説

火災のときに大切なのは「迷わないこと」です。

行動の優先順位をあらかじめ決めておくことで、いざという時に慌てずに対応できます。

①大騒ぎして周囲に知らせる

人間は最高の火災センサーです。
焦げ臭さや熱気などの違和感を感じたら、とにかく大声で知らせましょう

夜間はホイッスルや窓を叩く音でも効果があります。

周囲に伝えることで通報や避難を分担できるのがポイントです。

声を出さないと隣の部屋は全然気づきません。
災害時に遠慮は不要。大声が命を救います。

②119番通報を即時に行う

確認してからでは遅いこともあります。
通報は“気づいたらすぐ”が原則です。

住所や状況を端的に伝えるだけで十分です。

企業では、誰が通報するかを日頃から決めておきましょう。

迷ったらすぐ通報。
あとで何もなかったらそれでいいんです。

③防煙マスクとライトで安全確保

火災では煙と一酸化炭素が最大の敵です。

息苦しさや意識の低下を防ぐために、防煙マスクを装着してライトで周囲を確認しましょう。

大切なのは「視界の確保」と「呼吸の確保」。

備蓄品として水や食料ではなく、生き延びる備えが重要です。

水や食料は生き残ってから必要なもの。

高い信頼性と実績を備えた防煙マスクはこちらからご確認ください。

何度も言いますが、水や食料ではなくまずは生き残るための備えをしましょう。
視界の確保と呼吸の確保が必須です。

④可能な範囲で初期消火を試す

消火器は“最初の1本で消せなければ撤退”と考えてください。

各フロアに1本ずつ置くのが目安です。

ただし、防煙マスクなしでの消火は非常に危険です。

消火器1本で消せなければ、すぐに諦めて逃げてください。

⑤避難路を確保し安全に脱出

逃げ道を確保して、速やかに外へ出ることが最優先です。

二階以上なら避難はしごを備えておき、実際に使い方を試しておくことが大切です。

集合住宅やオフィスでは非常階段を片側通行で使い、混乱を避けましょう。

焦って飛び降りる人が多いけど、それは最後の手段です。
避難はしごは用意した方が良いです。

一戸建てで火災が起きる原因とは?防ぐための対応

戸建て住宅では「気づきの遅れ」と「逃げ道の不足」が大きなリスクになります。

日頃の点検と準備が欠かせません。

電気製品やストーブによる火災原因

コンセントにたまった埃や湿気は、火災の原因になります。

石油ストーブや電気ストーブに洗濯物をかけるのも危険です。

延長コードやタップは定期的に交換しましょう。

コンセントのホコリは本当に怖い。
定期的に掃除してください。

夜間火災と逃げ遅れの危険性

夜は、寝ていることで火災に気づくのが遅れがちです。

火災警報器は有効ですが、一酸化炭素を検知できない機種も多いため、CO対応の機器を選ぶと安心です。

火災報知器の問題点はこちらの動画でも解説しています。

匂いに気づいた時点で一酸化炭素を吸っています。
すぐ動いてください。

2階からの避難手段と器具の重要性

一戸建ての場合、2階建ての家も多いと思います。

Amazon等でよく売られている避難ロープは現実的ではありません。

足場がしっかり固定されている踏み板付きの避難はしごを備え、家族全員が実際に使えるよう訓練しておくことが大切です。

高齢者や子どもがいる家庭は、器具なしでは逃げられません。
降りられるように靴と軍手のセットもお忘れなく。

マンションや高層ビルで火災が起きたら?特徴について

マンションや高層ビルでは、建物ごとの設備や仕組みを理解しておくことが何よりも重要です。

避難器具やハッチの正しい使い方

ベランダの避難ハッチは下層階へ、仕切り板は隣へ避難するためにあります。

必ず訓練で実際に使ってみましょう。

ハッチは壊れません。怖がらず思い切って使ってください。
事前に動画や説明会で話を聞くのもおすすめ。

水平避難と垂直避難の判断基準

出火階とその直上階は最優先で避難します。

高層階では防煙区画まで水平移動して時間を稼ぐことも有効です。
(下に降りるのではなく、同じ階の横に移動する)

火元に近づかない。
煙のない方向へ動く、それが基本です。

集合住宅での訓練参加と設備把握

マンションやビルの場合、防災訓練をやることも多いです。

住んでいる建物の避難設備や消火設備は、自分で理解し、人に説明できるレベルにしておくことが大切です。

防災訓練はあるけど、ぼんやり聞いている人も多いのが事実。
防災訓練を「お付き合い」で済ませるのは甘いです。

まとめ:火災は必ず起きる前提で備える

火災対応の基本は、

  • 大声で知らせる
  • すぐに119番する
  • 防煙マスクで呼吸を守る
  • 初期消火は無理をしない
  • 避難を優先する

という順番です。

戸建てでは気づきの遅れと電気・ストーブ火災、マンションでは設備理解不足、公共施設では人のパニックが大きな課題になります。

企業でも家庭でも「火災は必ず起きるもの」と考えて、装備・知識・訓練を繰り返し確認しておくことが、命を守る現実的な対策になります。

本記事を紹介している、株式会社レスキュープラスでは火災や初期消火に必要な防煙マスク企業の防災コンサルティング・BCP対策を行っております。
現場で使える正しい知識・訓練をモットーとしており大手企業や大手ビル管理会社等での実績も豊富です。お気軽にご相談ください。

また「防災業界のインチキを正す!」をテーマにYouTubeチャンネルの運営をしてます。
防災業界やマスコミが言わない、正しい防災知識を解説しておりますので、ぜひ動画もご覧ください。