これから、企業の防災対策を始めたい!
けど、何からやれば良いの?

実は、こんな質問が多いんです。

企業における防災対策は、単なるマニュアル整備だけでは不十分です。

実際の災害時に命を守るためには、現場に即した訓練の積み重ねや、社員一人ひとりが行動できる仕組み作りが欠かせません。

本記事では、防災のプロによる具体的な解説をもとに、企業がゼロから取り組むべき防災対策の基本を解説します。

・消防団歴30年、防災歴40年以上のプロ
・大手百貨店や大手ビル管理会社等の災害対策指導員を歴任
・小岩で飲んで50年

企業防災対策の基本的な考え方

企業の防災対策は、単なる書類作りではなく「命を守る仕組み作り」が土台です。

ここでは、よくある落とし穴を含め、企業防災対策の基本をご紹介します。

マニュアル先行の落とし穴

多くの企業が「まずマニュアルを作る」ことで満足し、訓練を後回しにしています。

実際にお手伝いした企業は、1,000万円以上払ってものすごいマニュアルを作ったのに、訓練はしてないという企業も…

しかし、現実にはマニュアルだけではいざという時に動けません。

防災計画の形だけを整えて予算を使い切り、「実際の訓練はやらない」ケースは極めて多いのが現状です。

立派なマニュアルだけ作って満足してる会社が多すぎる。
緊急時だと役立ちませんよ。

なぜ訓練が先に必要か

災害対応は机上の計画通りには進みません。
自分たちがいくら気をつけていても、放火魔に火をつけられるなど「まさか!?」の連続です。

  • ・現場で実際に消火栓を使ってみる
  • ・大声で避難指示を出す

など、リアルな経験を積むことで初めてマニュアルに反映すべき注意点が見えます。

何も準備しないで、人が亡くなるとすぐに「安全配慮義務違反」となって、株主や社員の家族からすぐにお金を持ってかれることにも…

1にも2にもまず訓練。
マニュアルを実践して、改善しなきゃ無意味です。

火災制圧を最優先にする理由

都市型災害で最も被害を拡大させるのは火災です。

初期消火を確実にすることで、被害を局所化し、人命を守れます。

複数箇所で同時に火が出れば対応は不可能。

火を出さない・出ても即消す、被災者を1人も出さない、そのための装備と訓練が最優先です。

色々な訓練は必要ですが
強いていうなら火を消す訓練、最低限これだけはやってください。

命を守る仕組みを作る重要性

災害時の最優先は「1人でも多くの命を守る」ことです。

正直、これができていればほぼ満点です。

法的責任や社会的信用、さらには株主への説明責任も含め、対策の手抜きは大きなリスクになります。

実際に東日本大震災の時などで社員さんがお亡くなりになり、家族が起こした民事訴訟でかなり負けています。

命を守る仕組みを作り、定期的に見直すことが不可欠です。

防災対策にお金をかけてない企業は多いけど、民事訴訟を起こされたら◯億という金を持ってかれます。
さて、どちらが高いかな?

効果的な防災訓練の進め方

訓練は単発ではなく積み上げが重要です。

ここでは、実践的な訓練計画の作り方を解説します。

段階的な訓練の積み上げ

いきなり全てを完璧にこなすのは不可能です。

まずは初期消火、避難、救命など、テーマごとに徹底し、できることを増やしていきます。

少しずつでも確実に身につけることが事故防止につながります。

防災に近道はありません。
完璧を目指すより積み重ねが大事!

現場を想定したシミュレーション

座学だけでは不十分です。

実際の職場環境で、

  • ・防火扉の閉鎖確認
  • ・煙を回避する経路確認
  • ・誘導役割の確認

を確認します。

防災は想定外の連続です。
全て「まさか!?」から始まります。

想定外が起こっても、すぐに体が動くような訓練が必要です。

座って話を聞いてるだけでは不十分。
誰かに教えられるようになると一人前です!

初期消火訓練の徹底

初動消火が遅れると被害は一気に拡大します。

消火器や屋内消火栓の操作だけでなく、呼吸保護具の使い方まで含めた実践訓練を行い、誰でも使えるようにすることが重要です。

大規模災害の時は、消防は来ません。
初期消火なら自分たちで消せる訓練は必須!

防災計画とマニュアルの正しい順序

防災マニュアルは最初に作るものではありません。

実践を通じてブラッシュアップしていくものです。

訓練からマニュアルを作る

まずは実際に動いてみることで課題を洗い出します。

現場で使えるマニュアルを作成します。

現場を知らない人が作ったマニュアルなんて、破り捨てましょう。

実践で生まれる安全配慮事項

現場での訓練を通じて、ホースをまたぐ時の注意点など細かなポイントが見えます。

これこそがマニュアルに反映すべき内容です。

ゴールは「誰でもできる」がベスト!

継続的なマニュアル修正

訓練を重ねる中でマニュアルは古くなります。

また、担当者も変わることでしょう。

新たな課題や改善点を随時反映し続ける姿勢が重要です。

作って終わりはダメ。
何度も直して使えるものに。

防災訓練のコストと現実的な進め方

予算の壁を言い訳にせず、計画的に訓練を実現する方法を考えます。

訓練に必要な費用感

100人規模で基本的な防災訓練を実施する場合、弊社だとスタッフ3〜4人、丸1日で100万円程度が目安です。

安くはありませんが、事故による損害と比べれば安価です。

安物買いは高くつきます。
正直、もっと安い講師はいっぱいいます。
でも私から見れば、訓練がなかったり、現場を知らなかったりと、インチキが多いのも実情かな…

社内指導者を育成する重要性

外部講師に任せきりではコストが増大します。

社内で指導できる人材を育成することで、継続的で実効性のある訓練が可能になります。

私たちが大切にしているのは
「教えてることを、教えられる人を育てる」こと。
そうすれば、お互いにとって良いと思います。

契約形態や頻度の工夫

毎月1回やるのではなく、慣れるまでは3ヶ月に1回、慣れてからは半年に1回、1年に1回など、年1回の総合訓練だけでなく、テーマごとの訓練を分けて実施したり、コンサル契約でポイントチェックだけを依頼したりするなど、柔軟な計画を検討します。

お客様の要望を伺って提案します。
お気軽にご相談ください。

信頼できる業者・指導者の見分け方

業者選びを間違うと、予算をドブに捨てることになります。



現場経験と実績のある指導者を選ぶ


現場経験のない講師では、訓練に説得力がありません。

消防団や元消防士など、実際の災害を経験した指導者を選びましょう。

実践的なアドバイスができ、単なる座学で終わらせない訓練が可能です。

私自身は災害の現場を何度も経験しています。
煙を吸って、呼吸が苦しくなったことも…

書類だけの提案に注意

「マニュアル作ります」で終わる業者は要注意です。

実際の訓練支援まで対応する業者を選びましょう。

書類だけで100万?使い物になりません。
でも、実際にはこんな業者が多いのも実情です。

わからないことをわからないと正直に言えること

防災の世界は「アクシデント」の連続です。
「今から5時間後に火災が起きます」これは放火魔ですよね。

だからこそ、防災会社でも必ずと言って良いほどわからない箇所が出てきます。

知ったかぶりして、提案すると大事故につながりかねません。

「私もやったことがないので、今度実験してみましょう」と言える人が信頼できる方です。

私たちのような業界は、アドバイスが間違っていると死者が出ます。
だからこそ、わからないと正直に言える方に依頼しましょう。

まとめ

企業防災対策は、マニュアル作りよりまず訓練が最優先です。

現場に即した段階的な訓練を積み重ね、実際に使えるマニュアルを作り上げることが本質です。

安全配慮義務を果たし、社員の命を守る責任を果たすため、今こそ「訓練にこそ投資する」という視点を持つことが求められています。

本記事を紹介している、株式会社レスキュープラスでは火災や初期消火に必要な防煙マスク企業の防災コンサルティング・BCP対策を行っております。
現場で使える正しい知識・訓練をモットーとしており大手企業や大手ビル管理会社等での実績も豊富です。お気軽にご相談ください。

また「防災業界のインチキを正す!」をテーマにYouTubeチャンネルの運営をしてます。
防災業界やマスコミが言わない、正しい防災知識を解説しておりますので、ぜひ動画もご覧ください。