モバイルバッテリーの火災って最近よく見ますよね。
あれってなんで、火が出るんですか?
スマートフォンやタブレットなど、今や私たちの生活に欠かせないモバイル端末。
その必需品である「モバイルバッテリー」ですが、実は発火や爆発の事故が全国で毎年発生しています。

本記事では、モバイルバッテリーが発火する原因、発火時の正しい対処法、モバイルバッテリーの選び方について詳しくご紹介します。
・消防団歴30年、防災歴40年以上のプロ
・大手百貨店や大手ビル管理会社等の災害対策指導員を歴任
・小岩で飲んで50年
【動画あり】モバイルバッテリーが発火する原因は?対策や選び方をプロが解説

モバイルバッテリーに使われている主な電池は、「リチウムイオン電池」です。
特徴として、高いエネルギー密度を持っており、小型で大容量という利点がある一方で、取り扱いを誤ると発火するリスクを伴います。
発火の主な原因は以下の通りです。
火災原因1:外部からの衝撃による内部破損
モバイルバッテリー(リチウムイオンバッテリー)が発火する原因は、外部からの衝撃が多いです。
専門的な話をしますが、セパレーターと言われる薄い板があり、そこに電解液というのが入ってます。
昨今のモバイルバッテリーってとても薄いです。
中に薄いセパレーターをミルフィーユのように重ねている構造なので、ちょっとの衝撃でも火が出ることが多いのです。
先の尖ったボールペンで刺しただけでも、発火することありますよ!
火災原因2:製造不良(粗悪な材質や工程管理)
安価なノーブランドのモバイルバッテリーでは、製造過程の品質管理が甘いことがあります。
・中のセパレーターの材質が悪い
・外のケースが貧弱
・チェックが甘い
こうした原因で、少しの熱や電流の乱れでも火災につながる可能性が高くなります
なぜ安いかって?工程管理や材質が悪いからですよ…
火災原因3:過充電・過放電・高温状態
長時間の充電や、炎天下での使用・放置もリスクになります。
・ベッドの上で充電し続ける
・車のダッシュボードに置いたままにする
・寝ながら充電してバッテリーに熱がこもる
これらはすべてバッテリー内部が異常加熱し、膨張→発火という流れを招きやすいのです。
100%を超えても、ずっと充電し続けている人いませんか?
危険です!
モバイルバッテリーから発火した場合の手順

火災の原因を学習しましたが、実際に熱を持ったり、膨らんできたらどのような対応をすれば良いでしょうか?
発火の流れと正しい対処法はこちらです。
発火の流れ(実際に起こる順番)
どのような手順でモバイルバッテリーから火災が起きるのか記載しておきます。
①衝撃が加わる
②内部で膨張し始める
③熱を持ってくる
④煙が出る
⑤炎が上がる
ここまでのスピードは数秒〜数分と非常に早く、躊躇していると対応が遅れる可能性があります。
正しい対応:水没処理が効果的
もし、あなたの手元で
・いつもよりバッテリーが熱い
・表面が膨らんできた
・プラスチック臭や焦げ臭い匂い
・充電していないのに異常に熱を持っている
そんな緊急時には煙を吸わないように息を止めて、バケツなどに水を張り、完全に水没させるのが有効です。
「水をかける」ではダメです!完全に沈めて水没させましょう。
触る時は、絶縁手袋があれば良いですが、布や軍手でもOK!
モバイルバッテリー火災を防ぐために

モバイルバッテリーからの火災を未然に防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
以下に、安全な選び方や使い方のポイントをまとめました。
名のあるメーカー品を選ぶ
安さだけで選ぶと、材質や工程管理が悪い場合があります。
ニュースでモバイルバッテリーが発火しているのを見ると、大体海外製が多い…
特に贈り物の場合は、高くてもメーカー品を選びましょう。
喜ばれるために、贈った贈答品が火災の原因だと元も子もないです。
取り扱いは丁寧に、衝撃厳禁
ケースがしっかりしているし、多少雑に扱っても良いかな?と思いがちです。
ですが、先述したように少しの衝撃でも発火することを忘れないでください。
生卵を扱うように、丁寧に丁寧に!
少しでも異常があった場合は、使用を中止する
異常を放置すると爆発や発火のリスクがあります。
落としてしまい、その場では何もなくても数時間後や数日後に火が出る。こんなケースも珍しくありません。
少しでも異常があった場合は、使用を中止してください。
モバイルバッテリーに充電しながら、携帯を使う人も見かけますが
落としたら大変!落とさない安全なところで充電しましょう。
まとめ
モバイルバッテリーは便利な反面、取り扱いを誤ると命の危険さえある製品です。
安心して使うために
「信頼できる製品」と「正しい使い方」が重要です。
捨てる時も気をつけてね!
ゴミ袋で捨てて、ゴミ収集車が燃えてることが何度もあるから…
自治体の処分スペースがあるから要チェック。
本記事を紹介している、株式会社レスキュープラスでは火災や初期消火に必要な防煙マスクや企業の防災コンサルティング・BCP対策を行っております。
現場で使える正しい知識・訓練をモットーとしており大手企業や大手ビル管理会社等での実績も豊富です。お気軽にご相談ください。
また「防災業界のインチキを正す!」をテーマにYouTubeチャンネルの運営をしてます。
防災業界やマスコミが言わない、正しい防災知識を解説しておりますので、ぜひ動画もご覧ください。
